国立病院における研究事業

大規模な臨床研究

日本最大のネットワークを形成する独立行政法人国立病院機構の国立病院では、総合病院として、どのような研究事業がおこなわれているのでしょうか。

以前の厚生労働省が直轄していた国立病院時代とは異なり、独立と自主性がもたらされた環境にありますが、国が方針として重点を置く分野には、やはり力を入れて研究が進められています。

一般診療の総合病院として機能する国立病院の、研究における寄与、その活動の一端を見てみたいと思います。

まず、全国144の医療施設をもつというスケールの大きさを活かした大規模な臨床研究がおこなわれています。
とくにEBM推進には力を入れて取り組んでいるようです。

具体的には、人工的に栄養を摂取させる人工栄養の安全性やそれを行ったことによる影響を観察すること、
高血圧での原発性アルドステロン症の調査及び研究、消化器の外科手術を他の病院との施設間での技術評価の方法を確立することなどが最近では研究されています。

これらは臨床における、より一般的な疑問に対し、質の高い医学的根拠を与えるものといえます。
実地における対処として、どのような方法をとることがベストであるのか、その指針を示し、我が国の医療をけん引することにつながる研究がおこなわれているといえるでしょう。

新しい医薬品や治療法の開発にも積極的に取り組み、治験も頻繁に行っています。
より身近に理解してもらうための啓発活動もともに実践しており、分かりやすい一般向けのパンフレット作成など広報活動も治験研究の一環として進めています。

最新の研究

国が定めた現在の政策医療分野は19分野で、その内訳は、がん、循環器病、精神疾患、神経・筋疾患(脊髄損傷、てんかんおよび進行性筋ジストロフィー含む)、成育医療、じん疾患、重症心身障害、骨・運動器疾患、呼吸器疾患(結核含む)、免疫異常、内分泌・代謝性疾患、感覚器疾患、血液・造血器疾患、肝疾患、エイズ、長寿医療、災害医療、国際医療協力、国際的感染症になります。

これらの分野に関する臨床の研究を行うため、国立病院機構では、そのネットワーク下の国立病院のうち全国10か所を拠点と定め、臨床研究センターをおいて、最新の研究をすすめています。

多くの施設が共同で、連携を取りながら進める研究のスタイルは、こうした国立病院ならではでしょう。
さらに、臨床研究部としての組織は、全国の国立病院の61か所に設置しています。

これらの部署でも、先の政策医療分野を横断的にカバーするような研究を独自に進めています。
国立病院総合医学会として学会を開き、研究成果の共有も行っています。

また国立病院機構文献情報センターという、研究文献の図書館のような施設ももっており、医療関係者や一般にもその所有する研究文献を公開しています。

国立病院における研究事業は、国の指定政策医療にもとづく、より実践に即したかたちの身近な研究として進められているという特徴があるといえます。

Comments are closed.