病理診断科

顕微鏡で病気を診断する病理診断科

病理診断科は、2007年の医療法改正で病理診断科を掲げてもよいと法律で規定されて誕生した診療科で、患者さんの病気について病理診断を行っています。
では、病理診断とはどのようなものなのでしょうか?

一般的には、病院に訪れた患者さんは医師の問診や触診、レントゲンや血液などのさまざまな検査をもとに、主治医が何の病気であるか診断します。
これを臨床診断と呼びます。

一方で、病理診断科が行っている病理診断は、患者さんの体に生じた異常を調べるために患部の細胞や組織を採取して標本を作り、これを顕微鏡で観察して何の病気であるかを解明します。
主治医による臨床診断と、病理医による病理診断という2つの車輪で患者さんの病気を突き詰めることで、より正しい病理の解明が可能となります。

病理診断科の主な仕事

病理診断は主に次の5つの診断が行われます。
第1は、細胞診断です。
痰や尿のほか、異変が予想される細胞を採取して標本を作り、これを診断します。

第2は、生検組織による診断です。
病気ではないかと疑われる箇所を、メスや針などを使って取り出したものから診断する方法です。
たとえば胃がんが疑われる患者さんに対しては、医師が胃カメラを使って胃の内部を観察しますが、ポリープなどの異常が見つかった場合、その部分の一部の組織を採取して、病理診断科の病理医に診断を依頼します。
このような組織を生検と呼んでおり、この診断を生検組織診断といいます。

第3は、手術で摘出された臓器や組織の診断です。
この診断では、摘出された臓器を調べます。
病理医は臓器の病変の位置や大きさ、状態等を確認し、必要な部分を採取して標本を作り、顕微鏡で調べて、がんの進行度や悪性の度合い、転移の可能性など今後の治療方針を決める参考となる診断を行います。

第4は、手術中に行われる診断です。
これは手術中に摘出した臓器などを、素早く観察して診断し、手術中に診断結果を報告する術中迅速病理診断を行います。
手術で摘出した臓器の断面にがん細胞が残っていたら、がんの再発リスクが高まります。
ですから確実にがん細胞を除去できているかを手術中に確認するために、数十分のうちに病理診断を行わなければいけません。
この診断によって、確実かつより少ない範囲の摘出で治療が行えるのです。
また、肝臓や卵巣など病巣が体の奥のほうにあって、実際にメスで内臓を見てみないと悪性腫瘍かどうか分からない場合に、がんである可能性を考慮して手術を行い、手術中に病変のある組織を採取して病理診断を行い、診断結果によって手術方針を決めるケースもあります。

第5は、解剖による診断です。
亡くなった患者さんに対して、生前に行った診断や治療が適切だったか、また病気がどの程度進行していたかを調査し、今後の医療に繋げるための病理解剖が行われることがあります。
このときの病理診断を担当します。

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