脳神経外科

神経系の手術を行う脳神経外科

脳神経外科は脳や脊髄、末梢神経系、それらに付属する血管や骨、筋肉等を含む神経系全般の疾患のうち、手術など外科的な治療を行う部門です。
脳や脊髄などに発生した腫瘍や、脳動脈瘤などの脳血管障害などを扱います。
神経はとても複雑かつ緻密に連携している組織ですから、手術など高度な医療技術が求められる診療科です。

主な疾患は脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血といった脳の血管の病気のほか、頭痛、脳腫瘍、脳挫傷など頭のケガにも対応します。

日本は優れた脳神経外科医が多い国

現在、医学は急ピッチで進歩し、これまでは手術が必要だった病気でも、今では手術をせずに治療できるようになっている病気もあります。
その一方で、かつては手術では治らなかった病気でも、医療技術の進歩で手術をすれば治るケースも増えてきました。

脳神経に対する治療は古くから行われていますが、わが国で脳神経外科の専門性が特に高まってきたのは交通事故の発生が社会問題となった昭和40年頃です。
交通事故で頭に重篤なケガを受ける人が急増し、大学病院に脳神経外科が設置されるなど、脳神経外科を設けてこれに対応する救急病院が全国で次々に開設されました。

昭和41年には脳神経外科認定医制度が発足し、多数の専門医が誕生しています。交通事故による外傷がきっかけで全国的に増えた脳神経外科ですが、外傷だけでなく脳卒中などの疾患にも対応するようになりました。
現在の日本では、国内のどの脳神経外科でも脳卒中の治療を行っていますが、医療先進国である米国であっても脳神経外科の数は少なく、急性期のくも膜下出血の患者さんを、数百キロも離れた病院に運ばなければならない地域もあります。
日本は世界的に見ても、優れた技術をもつ脳神経外科医が多い、恵まれた国だといえるのです。

脳は酸素を大量に消費する器官で、全身の20~25%を占め、子どもの場合は50%にも上ります。
脳に送る血流も全身の約15%が必要となり、血液が滞れば数秒で意識を失い、数分で脳の神経細胞は死んでしまうため、迅速な処置や治療が不可欠です。
緊急かつ複雑な手術が必要となることが多いので、X線によるサイバーナイフを使った治療やMRI、MRA検査など最先端機器が導入されているのも特徴で、常に新たな医療技術が開発されています。

特に脳機能の大きな特徴として挙げられるのが、一度死んでしまった神経細胞は生まれ変わることはないという点です。
このため一命をとりとめても後遺症になる事も多く、神経細胞の再生治療について研究がされています。
死滅した神経細胞の再生など新たな医療法が確立して、脳疾患の死亡率が下がり、後遺症が残りにくくなる時代が来るかもしれませんね。

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